2011年10月10日

The Tangent/"Comm"

Comm

Andy Tillison率いるThe Tangentのニュー・アルバム、スタジオ6作目。

活動が活発だった頃のThe Flower Kings並みにコンスタントなリリースを続けるが、メンバー流動の激しさが目立つ。純英国バンドとなった前作は、初っ端の大曲からここが着陸点とでもいう様な、落ち着きの作風を見せた。

懐かしのダイヤルアップ音から接続される長曲"The Wiki Man"。題材をテクノロジー分野へ真っ向切り込むAndyらしい。のっけからエネルギッシュなシンセ。テーマの歌い回しでプログレ特有の歌心が全開に。ボーカルの弱さとブレからくる英国性は強力な武器だ。このバンドの世知辛さを感じさせるリアルな感触は、ますます度を強めている。後半の展開で消えては浮かぶ"Strang Days" のくだりの気だるさが、白昼夢の延長を見せる。

"Going Off On Two"でも披露されていた"The Mind's Eyes"
メタリックに刻むスピード感といい、ギターの存在感向上が顕著。オルガンの音色がバンクスだったりエマーソンだったり、あざとさも隠す巧妙さ。

Barrett作の3曲目"Shoot Them Down"Pink Floydライクな歌ものになっている。

"Tech Support Guy"
TheoのJimmy Heystingsを思わせるフルートが、カンタベリーの憧憬に誘う。Caravan or Camelのアンサンブルで今風の楽曲を演ったら、こうなる。ギターによる"Wiki Man"テーマの挿入も、別曲の空気の中で新鮮に響く。続くフルートの音色は、カナディアン・シンフォの様なクールネスを携える。

終曲"Titanic Calls Carpathia"
管弦楽の純シンフォニーなオープニングから、ミステリアスな楽曲の表情が浮かび上がる。"In Darkest Dreams"シリーズのような影が射した作風。ベースの静かなるグルーブが耳心地の良さを高める。どこを切ってもAndy節の鍵盤も目白押し。Tangentといえばモダンなダークファンタジー、と決定付ける一曲。


全5曲。前作に増してすっきりした内容だが肩透かし感はけして無く、イギリスのパーマネント・バンドThe Tangentとしての傑作が生まれたと言っていい。

ボーナス・トラック扱いの2曲、"The Spirit Of The Net"は初期のMastermind(US) を思わせるプログパワーポップ。Andyにこういうコンパクトな歌もの作らせると上手い。

Live録音の"Fantasy Bootleg"は変わり種、Genesis/"Watcher Of The Skies"のアレンジカバー 。プレイスタイルはおもしろい事にYes入ってる。
posted by へいずん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | New | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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