2009年07月01日

Dream Theater/"Black Clouds & Silver Linings"

ブラック・クラウズ・アンド・シルヴァー・ライニングズ(限定盤)

前作は解しかねる作品だった。レーベルが変わったのも一つ、開放されたはずの彼らがやりたかった集大成(なんかそういう事になってるらしい)とは―
Chaosだったのか!?

そしてコンスタントに2年のスパンでの新譜。感じたのは狙いがストレートだという事。音楽性がシンプル路線だとかでは無く、聴き手に対してのアプローチが。

題材がパーソナルなものに推移しているのも仕上がりへの影響が大きい。ペトルーシのトラウマチックな交通事故の回想録、ポートノイの亡くなった父に捧ぐ追悼一色な曲など。ライナーから溢れるメモリーズを、リスナーはぜんぶ受け止められるのだろうか!?

ダーク・ファンタジー?な前作は未だにもこもこした視聴感が拭えないが、今作は曲のアウトラインが大分つかみ易くなっている。アルバム・タイトルはこの事も暗示させて!?

また、あの連作がついに最終章を迎え、注目度で言うと山となるが、はたして出来は。

毎回少しづつ新しいギミックを取り込んでいるのにも、気付かれれば評価につながるかもしれないのにと憂慮。


ブラックな一曲目"A Nightmare To Remember"、具象的な悪夢。6thの"The Glass Prison"を彷彿させる導入とリフではある。のっけから10分を超える展開は、長い、途中落ち着き過ぎるきらいが。単純に構成を圧縮してくれたら、いい感じに余剰が無くなりそうな曲なんだが。

"A Rite Of Passage"TOT期に寄る中近東なリフ。取り上げるのが秘密結社ということで、雰囲気のあるPVもあるよ。しかしこの曲は後半のkeyソロのためにあると言っていい。いつものギター・ライクなプレイから徐々にエキセントリックになっていくジョーダンの新骨頂↑今のドリシアは彼をもっと前に出してよい。

3."Wither"は…前作の"Forsaken"を明るくしてみましたって感じだろうか、現状の半端さが出た小曲に。大仰なストリングスと弱めのメロディが要因か。

"The Shattered Fortress"とは、シリーズ#1"The Glass Prison"のアンサーとして期待せざるを得ない。蓋を開けるとシリーズ作のパーツをリアレンジ、コラージュさせた総集編となっている。一見シリーズ外である"Octavarium"のクローズド・セッションが現れるのは、同アルバム一曲目の#3"The Root Of All Evil"につながる8thの再現か。実際、OPのSE無しでリフにつながってる。5作に亘る連作というのもなかなか見当たらないし、完結してみると感慨深いものが。"Scenes From A Memory"(SFAM)の次作のリーダートラックとしてラジオから流れてきたNo.1の一際ヘヴィなリフと、#2("This Dying Soul")の無比のユニゾンは近作の中でやはり強烈だった。#3と#4で緩めな造りにはなったが、プロセスの継続は形を変えて行われていたし。今回のラストでは当然、#1のOPにつながる。(同発的に#3のイントロも)

事の収束か、ステップは振り出しに戻ったのか、評価は後に判断する事になりようだ。

そして追悼曲です。"The Best Of Times"
前半はとっても一時期のRushなんだが、全体はゆったりと、気が抜けたような展開。緊張感張らすとかそういう曲じゃあないんだろうけど。しかし歌詞が切れ、ラストのギター・ソロで答えが出る。あまりに特別でエモーショナル(やすいエモなどではない)、それはもう語る以上に。泣ける、これは、無防備などでは!ドリシアの父へ捧ぐに相応しいソロは、今回のハイライトに。ここで露見する事実は、未だ熟練し続けるペトルーシ。恐れ入ります。

6."The Count Of Tuscany"一見前作のファンタジー路線が残っているかと思われる導入からテーマの提示、雰囲気はまるでSymphony Xの大曲みたい。前作で掲げたアクロバティックさがやっと(と敢えて付ける程に)活きて、今作中一番のプログレどころとなっている。長さを感じさせない構成を見せ、逆に言えばひっかかりどころの無い展開とも。ラストのフェード・アウト、水と鳥のさえずりがせめてトスカーナの風景を思わせる。まあ決して某組曲のオマージュなどでは無い訳だが。


さて、じっさく目は結局良し悪しで解りきった答えを出されてしまうのか。

ここにあるのは長い目で見ると、愛着が湧いてくる、もしかして好きになれない、身近な人の顔のようなもので。この性質はどうもSFAMにも、ましてや初期の作品にはなかった気がする。

もはやドリシアはニュアンスで語るしかないのかといった感じだけど。あの作品・傾向が好きってよりも、毎回探せば見つかるこんなファクターが好きって嗜好じゃないと、満たしながら聴き続けるのはむずいのかな。

以上、最近のドリシアを気軽に話題にあげられなくて寂しい自分でした。もうね、新作聴いた?とか聞くのもこわいから…



あ、まだあります。

最近は商魂に目覚めたのか、限定盤だとして3枚組が用意されている。本編にプラスしてカヴァー集と、本編のインストゥルメンタルVer.の構成。

Disc 3はラブリエレスなのに加えて、各パートのソロも除外されているという。keyのバッキングを純粋に聴けたりはするが…普通に聴くのはお薬を飲むのに等しい。耳コピか作業用BGMあたりに使える、か?

そしてアンカヴァードだが、オフィシャル・ブートのカヴァー・ナイト関係を除くと"A Change Of Seasons"収録のもの以来。

1.Stargazer
2.Tenement Funster / Flick Of The Wrist / Lily Of The Valley
3.Odyssey
4.Take Your Fingers From My Hair
5.Larks Tongues In Aspic Pt.2
6.To Tame A Land


Rainbowと最後のMaidenは鉄板曲を丁寧に演ってて、良くも悪くもイメージ通り。

Queenのは"Sheer Heart Attack"から、要所のへヴィなアレンジはハマってる。Zebraも良い。

そしてDregs"Odyssey"はよくぞ。1stの"Cuise Control"を前に取り上げたのに続き、2ndからこれ!って彼らぐらいしかやらんもん。

"太陽と旋律Pt.2"はかなり優等生な演奏で、普通に聞かされちゃうのはよく考えると可笑しい。

嬉しいのが何曲かで聴かれる、ヴァイオリンの音の再現性がいい感じなのだ。非常に好事家的で、ぐっと来ちゃう。
posted by へいずん at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | New | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。