2006年02月07日

本当は怖くないマイク童話、チューブラー・ベルズ(第8回)

ソロ・アーティストの登場です。
しかも「個人」という意味ではまさしく大部分を一人で楽曲を作り上げてしまう人。
Mike Oldfieldの音楽は、彼のパーソナリティを多分に盛り込んだ映像的なものです。
遍歴を見るとNew Ageにも数えられる音楽を創っていますが、プログレに分けられます。
ただ方法論の面で、ジャンル隔てなく影響を与えているのではないでしょうか。
偉大なる宅録オタクの第一人者(!?)

Tubular Bells
Tubular Bells(1973)/Mike Oldfield
1.Tubular Bells Part 1
2.Tubular Bells Part 2

Mike Oldfield (p,org,b,g,per,tubular bells,etc.)

Viv Stanshall (mc)
Jon Field (fl)
Lindsay Cooper (b)
Nasal Choir (cho)
Mundy Ellis (cho)
Sally Oldfield (cho)
Steve Broughton (ds)


マイク・オールドフィールドは英国レディング州都バークシャーの出身。
母親がアイルランド出身らしく、これが要因とは言えないが、彼の音の特色としてケルト・ミュージック(アイルランド伝統音楽のこと)がある。
姉のサリーとフォーク・デュオSallyangieを結成、68年に唯一作を残す。
その後ベーシストとしてバンドのセッションを経験し、Soft Machine結成メンバーであるKevin Ayersのバンドにも参加する。
このためカンタベリー人脈とも繋がりがあります。

ソロとしては新設されるレコード会社Virginと契約、一人多重録音による楽曲を制作する。これが73年、レーベル第一弾として1st"Tubular Bells"として発表される。
何かと固定の話題が付きまとう作品で、映画「エクソシスト」のテーマとして使われてしまった業を背負うアルバム。(日本ではTVのホラーな場面でよく流用されてしまうし)
だが今や巨大グループに発展したVirginの第一歩としては、
なるようになる、売れるべくして売れるといういささか象徴的過ぎるエピソード。

多重録音と書いたが、マイク本人が使用される楽器のほとんどを演奏し積み重ねた、2パート合わせて50分に及ぶかという一曲なのだ。
となると気負う方もいるかもしれないが、この楽曲の魅力は例のイントロを過ぎてから展開される、トラッドを散りばめたロック・シンフォニーにあるに違いない。
だが精神の深い部分まで達するかの音楽は、聴く人を選ぶのかも…

印象的なジャケットは言い知れぬパワーがある。
別にパイプが力技によってひん曲げられているからじゃない。
「2001年宇宙の旅」のモノリスの様な異質な存在感があるのかな。
このチューブは彼のライフ・ワークになった"Bells"シリーズを飾る事となる。
初めはこのチューブを叩きつけて音を出すのかと思ってましたが、まったく逆で、叩いて変形したチューブラー・ベルズがモチーフになったものだとか。

ちなみにチューブラー・ベルというのは、某歌自慢でも歌の評価に使われるアレのこと。


1.心地よく馴染むイントロダクション。
ピアノにグロッケン(鉄琴っスね)が被さり、陰のあるベースが刻まれる。
確かにミステリアスなイメージのある音。
些細な変化とともに、徐々にこの音楽の風景が見えてくる。
Eギターは神経質に奏でられ、これは彼の特長ともなっている。
一転、場面が転調すると牧歌的。
ケルティックな味もあるトラディッショナルな面こそ、本質をよく表している。
またギターがリードすると、ロックの躍動に満ち溢れる。
Part1の終盤ではパターンが繰り返され、
Bonzo Dog Bandのヴィヴィアン・スタンシャルがナレーションする楽器が順繰りに重なる、
地味〜に高揚感のあるパートだ。
最後は「チューブラー・ベルズ」が呼ばれ、
その教会の鐘の音のような響きは盛大に第1部完を告げる。
このMCが効果的で、演奏しているのはマイク一人なのに、
協演している楽器ひとつひとつがメインに立つ何とも愛らしい構成である。

2.静かに始まる第2部は、よりアコースティックな印象。
中盤の混沌を抜けると突如原始人の咆哮が絡む。
"Piltdown Man"(捏造猿人の事らしい)なるこのパートは、意味があって入れたのかは不明だが、またしても登場「2001年宇宙の旅」の冒頭を思い起こさせますよ。(自分だけかな?)
オルガンをバックに各種ギターが重なり合い、暗くエキゾチックな佇まいから明るい終幕へ。
なぜかフォーキーなチャカポコトラッドで終わるのだが、不思議な後味を残す。


先ほど記したようII、IIIとチューブラー・ベルズは続いていく。
これら続編が出る頃には移籍し、音楽もポップ等に転換を遂げているのだが。
やはり初期の作品群はクラシック、トラッド、ロックの要素が、大曲の中で隔てなく消化されている。
2nd"Hergest Ridge"、3rd"Ommadawn"までの通称初期三部作と、4th"Incantations"はどれも素晴らしいのでこちらもどうぞ。
posted by へいずん at 01:18| Comment(2) | TrackBack(4) | Overture | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBいただきありがとうございます。
英国圏中心で、Progreの話題も取り上げていきます。こちらのBlog「THE BELL」にも気が向いたらお立ち寄り下さい。
Posted by prophet at 2006年02月07日 09:12
>prophetさん
相互トラバありがとうございます。
「THE BELL」は以前から参考にさせてもらってまーす。またお邪魔させてもらいますよ。
Posted by 記紀@管理人 at 2006年02月14日 19:43
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Mike Oldfield 元ネタ#1 Tubular Bells
Excerpt:  数年前、シェーンという英語学校(ここはクィーンズ・イングリッシュを教える数少ない英
Weblog: THE BELL
Tracked: 2006-02-07 09:05

Mike Oldfield - Tubular Bells
Excerpt:  カンタベリー人脈の中でも少々意外な、というかケビン・エアーズやバージンレコード絡みで語られる有名なアーティストにマイク・オールドフィールドがいる。少年時代から早熟な??
Weblog: ロック好きの行き着く先は…
Tracked: 2006-02-07 22:53

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Tracked: 2006-02-13 20:07

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