それは商業的な音楽への転換であったりして、当初からのオリジナリティーを保ったまま市民権を得たバンドというと、Pink Floydぐらいなのではないだろうか。
つまりはプログレだけれども、プログレを聴かない人にもメイン・ストリームのロックとして認知され得る楽曲なわけ。
またこのバンドは最近、LIVE 8でのみ再結成されて大分話題になりましたね。

Atom Heart Mother「原子心母」(1970)/Pink Floyd
1.Atom Heart Mother
2.If
3.Summer '68
4.Fat Old Sun
5.Alan's Syschedelic Breakfast
Roger Waters (vo,b)
David Gilmour (g,vo)
Richard Wright (key,vo)
Nick Mason (ds)
ピンク・フロイドは個々の技巧をもってプログレッシヴなアプローチをしたわけではない。曲自体は割と普通で、サウンド・エフェクト等のアレンジメントにより、音響的に深化したロックだというのが私のイメージ。
言い切るとちょっと問題になりそうだけれど…
ピンク・フロイド音楽の影響というのは、同時代に比類するバンドが皆無なためか、現代に至っても割とわかりやすい形でリスペクトされてるんじゃないかなと。
このバンドの精神面はロジャー・ウォーターズが担い、初期のメンバーである去ったカリスマ、シド・バレットの存在がよく語られる。
その音楽世界は負の重みというか、狂おしい内在的な感情を感じさせる。(うーん、自分でも良くわからなくなってきたぞ)
傑作として、名実ともに"Dark Side Of The Moon"「狂気」が挙げられるが、今回はヒプノシスによる見返り牛ジャケで有名な「原子心母」を。
オーケストレーションによる長大なタイトル曲を軸としたアルバムで、ピンク・フロイドのプログレッシヴ・ロックが結実したアルバムでもある。レコード時のB面は2〜4曲目がそれぞれウォーターズ、ライト、ギルモアのソロ曲で、フォークに小粒揃い。5曲目は13分に及ぶミュージック・コンクレート風の楽曲。
1.ブラスに導かれてメインテーマに移る。
馬、ブレーキ、爆発音、叫び、バイク、巧みなサウンド・エフェクトが映像を喚起させる。ギルモアのブルージーなギターの泣きは、前半の聴き所だ。
コーラス・パートから白玉オルガン音で空気が変わる。この変化は地味だが凄い。
徐々に水の滴りと供に狂気が顔を出し、聴き手は水に飲み込まれる。各セクションがコラージュされ浮かんでは消え、テーマにて終幕される。
全体的に淡々と進行するが、作り込み様はハンパではない。
これ以降のフロイド・サウンドの起点はこの曲ではないかと。
4.ギター弾き語りで純粋に良曲だと思う。
どこか青臭いのが郷愁を誘う様ですよ。
5.料理して食っての合い間に、三つの楽曲が流れる構成。
普通に無視される曲だが、改めて聴くと最後のパートはなかなかいい出来かも。
著者は次なるプログレ大御所を、と思い立ちピンク・フロイドを聴いてみることに。はじめは確か2枚組「ザ・ウォール」を聴いてしまい、よく解らず無意味に怖い思いをした。(だってテーマが疎外だし)
しばらくして気を取り直し聴いた「原子心母」で新たな音楽体験をした気になったため、入門として書いたわけです。


