2008年12月26日

看板を失ったシャドウ・ギャラリーを彷徨う(第27回)

今回のバンドSadow Galleryのリード・ボーカル、Michael A. Baker氏が先日逝去した。

自分はこのテキストを書いた際に知り、驚いた。ボリューム感のある声質でパワフルながらむしろメロディアスな曲を得意とし、独特の歌いまわしがバンド・サウンドとマッチングする名ボーカリストでした。

彼はきっと、大曲"First Light"の主人公のように深淵への旅へ出てしまったのだろう。早過ぎる死を惜しみ、冒頭に記させていただきます。



マグナ・カルタレーベル第二のバンドであるシャドウ・ギャラリーは、より様式美メタルを基調としたプログレ・メタル、と言い切れればいいのだけれど。メロディック・パワー・メタルに凄まじい瞬発力を備えて、基本聴かせるのは合唱系コーラス・ワークという、そんなシャドウ・ギャラリーという音楽。

この界隈の黎明期から活動しているだけあって、'90年代周囲の乱立にもバンドの個は立ち続けている。

曲中聴かれる技術面は所謂バカテクというか非凡なレベルなのだが何しろライヴをやらない。完璧にスタジオ集団なのか、何人かは他所のセッションに参加したりはする。

ティラニー
Tyranny(1998)/Shadow Gallery
ACT I
1.Stiletto In The Sand
2.War For Sale
3.Out Of Nowhere
4.Mystery
5.Hope For Us?
6.Victims
7.Broken
ACT II
8.I Believe
9.Roads Of Thunder
10.Spoken Words
11.New World Order
12.Chased
13.Ghost Of A Chance
14.Christmas Day

Carl Cadden-James(b,vo,fl)
Brendt Allman(g,vo)
Chris Ingles(key)
Gary Wehrkamp(g,key,vo)
Joe Nevolo(ds)
Mike Baker(vo)



1stはドラム不在で打ち込み、デジタルな音で80年代メタルを思わせるサウンド。これはこれでネオ・プログレとか言われてた時代のものとして面白い。二作目で何とかドラム加入。マルチプレーヤーのキーマン、ゲイリー・ワーカンプも入り曲の造り込みもうまくなって来たところで今回のコンセプト・アルバムである。

ちなみに1st、2ndは中古で国内盤(この二作はアポロン盤orロード・ランナー盤の二種あり)がかなり出回ってる。初期のマグナ・カルタの勢いはすばらしいね・・・


三作目の"Tyranny"、Queensrycheの"Operation: Mindcrime"に類するような反権力ストーリーが、近未来な世界観で繰り広げられている。ここに神話的キーワードや全体を通じて12ヶ月をテーマに持ち込むなど、要はトンデモな物語ではある。テイストはハリウッドのエンターテインメント作品!?


1.ブーストスタートするインストゥルメンタル。
高速ユニゾンとうねるパターン、正式加入のドラムがいきなりやってくれる!

2.キャッチーなメタル?
ソリッドなユニゾンをはじめ、バンド・サウンドはこの一曲で把握出来る。

4.曲名、曲調、アメリカン。
サビなんかポップ・ソングみたいに抜けてる、でも商業的なにおいはさせないスタンス。

8.Act.2に場面展開。
ゲスト・ボーカルでジェイムズ・ラブリエ(Dream Theater)登場!
主人公の父役で、回想で息子に語りかけるとかそんな。
出番数秒で分かりづらい…
徐々にハイトーンで紛れも無くラブリエだったりする。
後半の流麗なギターソロがさりげなくも良。

9.冒頭の軽快なインストと終盤がプログレしてる。
ここみたいなツイン・リード・ギターをもっと聴きたい。
歌はバラード調なんだけど。みんなで歌うサビは一緒に歌いたくなるような〜

10.女性ボーカルとのデュエット。
ちょっとケレン味がかった姐さん声、どこか80年代のかおりが。
もうちょっとゲスト立てようぜってくらいでしゃばるマイクにやきもき。

11.3人目のゲスト・ボーカルDCクーパー(ex.Royal Hunt)が敵視点で歌う。
これがなかなかの適役で、ロック・オペラな歌唱でクライマックスへ向けた盛り上がりは十分。
フロイドの"The Wall"でいう"Trial"みたいな曲。

12.疾駆のプログレ・メタル・インストチューン。
全体においても演奏密度の高さとスコアの充実が訴求力を発揮。

13.救いに満ちた名曲。
完成されたメロディラインの甘さ、前曲引用の間奏の纏めも含め極上じゃないですか!

14.厳かなクリスマス・ソング。
といっても間違ってないかも。
ピアノ伴奏+シンセ、カールのフルートも。
最後にこんなしんみりさせるなんて、やるじゃないかSG…


全体通してだと流石に中だるみとか感じますが、最後の流れがすばらしいので許す!バカテクの割には、HR/HMとしてもプログレとしてもライトな印象を受ける音。聴きやすいかといえば、人を選びそうなマニアックな仕上がりだったりと若干扱いに困る彼らが大好きです!

マグナ・カルタで四作発表して以来沈黙、心配していると久し振りの復活作でInside Out入り。第五作は今回の"Tyrany"の続きになっていて、更にわからん方向にストーリーが進んだりするんだが、娘が生まれてその母親が亡くなり、娘が成長するとさらわれて・・・
これはアウトラインに過ぎないのね。曲は各々作り込まれて来ているが、音は専任キーボードのクリスが不参加でどこか物足りない。フルメンバーでの新作が聴きたいよ。



とここまで書いてマイクの死を知った次第。これからのフルメンバーでのシャドウ・ギャラリーは望めなくなってしまったわけだが。オフィシャルにゲイリーのメッセージがあり、続く彼らに今後も期待したい。
posted by へいずん at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | Overture | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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